後遺障害12級の認定を受けた案件で、実際の収入がないことを理由に保険会社が逸失利益の支払を拒否してきたので、訴訟を提起した結果逸失利益を認めさせて大幅な増額を得た案件

保険会社提示額

280万円

最終獲得額

850万円

ご相談内容

被害者 40代会社員男性
部位 右肩
傷病名 右鎖骨骨折
後遺障害等級 12級
獲得金額 850万円

自転車で走っていたところ、渋滞している車と車の間をすりぬけようとして走ってきた自動車に衝突され、鎖骨骨折等の怪我を負った。治療が終わった後、後遺障害12級5号が認定されたが、保険会社からの提案が低いように思える。賠償金の増額はできないか。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 12級 12級
入通院慰謝料 60 120 60
休業損害 0 0 0
逸失利益 0 360 360
後遺障害慰謝料 220 290 70
解決金 0 80 80
合計 280 850 570
単位:万円

保険会社からの賠償の提案は、300万円に満たない非常に低い金額だったので、当事務所がすぐに増額の交渉を開始しました。その結果保険会社は、慰謝料の増額には応じてきましたが、逸失利益については被害者の実際の収入が後遺障害認定後も減っていないことを理由にして、一切支払えないという主張をしてきました。

当事務所は、専門の判例ソフトから抽出した類似事例の判例を根拠として主張しましたが、保険会社が頑として応じないので訴訟を提起しました。訴訟では、判例を根拠に、被害者の収入に減少がないのは事実であるが、それは被害者の努力の賜物であり、また、本件後遺障害が今後の被害者の昇進、昇給、転職に不利益を及ぼすことはであると強く主張しました。

その結果、裁判所を当事務所の主張を相当程度認め、慰謝料の増額に加えて逸失利益を360万円認める内容での和解を提案し、保険会社もそれに応じてきました。夫婦ともに後遺症の認定を受けられたので依頼者には大変喜んでいただきました。

解決内容

訴訟を提起した結果、裁判所からの提案に基づく訴訟上の和解により、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益を合わせて570万円の増額を得て総額850万円の賠償金を得ました。保険会社が支払を拒否していた逸失利益についても、360万円の逸失利益を獲得しました。

所感(担当弁護士より)

後遺障害に基づく逸失利益とは、後遺障害が残存したことによって本来得られるはずだった収入を得られなくなったことを補てんするものです。

この逸失利益について、とくに公務員や上場企業の会社員等では、本件のように後遺障害が認定されても実際の給与は減っていないという場合が多々あります。このような場合、保険会社が実際の減収がないことを根拠に逸失利益の支払を拒否してくるということもあります。

しかし判例を精査すると、実際の減収がなくても逸失利益を肯定した例は多数あります。そして当事務所は専門の判例ソフトを備えているので、このような判例を多数抽出できます。本件はそのような判例を根拠に訴訟で主張したことが大きく功を奏した案件です。

代表弁護士 津田岳宏(つだたかひろ)/昭和54年生/京都女子大学付属小学校卒業/東大寺学園中・高等学校卒業/京都大学経済学部卒業/平成19年9月弁護士登録/平成26年6月京都グリーン法律事務所を設立

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