後遺障害等級認定のために、知っておきたいむちうちの種類と症状

「交通事故で首を損傷してしまった。むちうちのような気がするが、どこで治療すればいいのだろう?」

「先日交通事故にあってしまった。事故直後は何ともなかったが、時間がたって首が痛い。これもむちうちの一種なのだろうか」

交通事故の被害にあうと、様々な怪我や後遺症が問題になります。その症状として特に多いのが、むちうち(症)です。

むちうちといっても様々な種類、症状があり、その対処法もそれぞれ異なります。そしてもし、むちうちが後遺障害として認定された場合は、これを理由に慰謝料請求することも可能になります。

従ってむちうちの症状や種類、及びどのような場合に後遺障害として認められるかは、ぜひ知っておきたいところです。そこで今回は、後遺障害等級認定のために知っておきたいむちうちの種類と症状をご説明します。

むちうちの症状は時間差で現れる

そもそもむちうちとは、どういった症状なのでしょうか。簡単に説明すると、交通事故などにより起こる打ち身や頭部外傷といった症状を、むちうちといいます。強い衝撃が人体に加わった場合に、頭部と胴体が異なる方向に動いた状態がしなった鞭に似ていることから、むちうちと呼ばれています。

むちうちの特徴として、交通事故直後はなんともなかったが、事故後一定時間経過してから、症状が現れるケースが多く報告されています。
従って軽症で無傷に近い状態であったとしても、医療機関で受診する必要があります。あとから「あのとき受診しておけば良かった」とならないためにも、事故にあったら必ず病院に行きましょう。

またその受診は、自身の体を守ることだけでなく、のちの因果関係の証明においても大きな意味を持ちます。事故直後に受診した場合は、その症状が交通事故に起因するのかの判断は比較的容易ですが、事故から時間が経過した場合は、交通事故が原因かどうかの判断は非常に難しくなります。医師の診断書なしで交通事故での因果関係を証明するのは、困難と言わざるを得ません。従って因果関係の点においても、事故直後受診することが重要です。

むちうちの種類は一つじゃない。5種類のむちうちとその内容

むちうちといってもその症状は一つではなく、通常5種類に分類されます。すなわち①頸椎捻挫型、②神経根型、③バレ・リュウ症候群型、④脊髄症状型、⑤脳脊髄液減少型の5種類です。

頸椎捻挫型

むちうちの約70%が頸椎捻挫型といわれており、もっとも一般的なむちうちです。首への強い衝撃により、首の筋肉や靭帯が損傷することで起こるとされています。首や肩の痛み、寝違えたような違和感が主な症状です。

神経根型

首の骨が歪んだことにより、頸椎の神経の根元が損傷してしまい発症するのが、神経根型むちうちです。首や頭部の痛みだけでなく、腕のしびれなど引き起こすことがあります。

バレ・リュウ症候群型

バレ・リュウ症候群型も、神経の損傷により起こるむちうちとされています。従ってその点では、神経根型むちうちと共通しています。ただ違いとしてバレ・リュウ型は、交感神経の損傷により起こるむちうちと位置付けられています。主な症状として、頭痛やめまいなどがあります。

脊髄症状型

脊髄症状型の最大の特徴は、脊髄の損傷により起こる点にあります。脊髄及び関連する神経が傷つくことにより、首や腕だけではなく、下半身である足にまで痛みやしびれを引き起こします。歩行障害や排泄障害の症状が出ることもあります。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症とは、脳と脊髄を覆っている硬膜が破れ、その中の髄液が漏れ出すことで、発症するむちうちといわれています。頭痛、全身倦怠、めまい、吐き気などがその主な症状です。

病院?それとも接骨院?むちうち治療の最適な場所

むちうちの治療は、まず病院の整形外科での治療が基本になります。その理由は二つあり、まず病院の整形外科では非常に詳細な検査を受けられます。MRIやレントゲンなどの使用が可能です。接骨院等ではそれらの医療機器を扱える技師がいないため、検査を受けられないのです。
もう一つの理由として、診断書作成の点です。後遺障害の認定を受ける場合は、医師の診断書が必要になります。接骨院等で施術を行う柔道整復師には、診断権がないため診断書の作成ができません。また交通事故後、加害者に対し損害賠償請求を行う場合においても、医師の診断書が必要になります。
従ってこのような理由から、まずは第一に病院での診察・治療を受けておくことが重要になります。

むちうちは後遺障害として認められる?

後遺障害は、その症状の深刻さを考慮して等級が1級から14級に分けられています。1級が最も重く、14級が最も軽いです。またむちうちがどの等級に分類されるかについては、最も軽いとされる14級で認定されるケースが多いです。
14級にはその症状の種類に応じて、1号から9号まで分けられていますが、むちうちはその中の9号に該当するか否かで判断されます。

14級の9号では「局部に神経症状を残すもの」と規定しており、むちうちは先の解説でも言及した通り、首や脊髄の神経の損傷により発症することが多いとされています。従って首や脊髄といった特定の部分の神経障害が、局部の神経症状であると判断された場合は、14級9号に該当するとして後遺障害の認定を受けることができます。

また14級以外の等級として、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」として認定されることもありますが、14級に比べるとハードルも高く認定数も多くありません。従ってむちうちの後遺障害等級認定は、14級が基本となります。

むちうちで後遺障害等級認定を得るためポイント

ではむちうちの後遺障害等級認定は、容易に認められるものなのでしょうか。結論からいうと、認定は容易ではありません。14級であっても難しいです。その理由は様々なものがありますが、一番の理由は医学的な説明の難しさです。

例えば後遺障害の認定において14級9号で申請をした場合、むちうちの症状が単に「局部に神経症状を残す」場合に該当すれば、それで認定されるというわけではありません。それを医学的かつ整合的に説明することが必要とされています。

つまり被害者自身の個人的感覚でむちうちの症状があれば、それで後遺障害が認定されるわけでなく、医師の所見やレントゲン写真などの客観的な資料等を総合的に考慮したうえで、むちうちが14条9号に該当することを説明する必要があります。ですが、ある意味その証拠といえるような資料を十分に用意するのは、そう簡単なことではありません。

交通事故のあと自己判断で通院をやめてしまったり、病院ではなく接骨院等に行ってしまったりした場合は、その認定の資料が不十分であり、後遺障害の認定を受けるのが難しくなります。従って後遺障害の認定を得るためには、事故直後から認定を視野に入れた通院・治療が重要になります。

具体的には
・継続的に通院すること(期間としては6か月以上、100日前後の通院日数が目安)
・神経学的検査(スパーリングテスト・ジャクソンテストなど)を受けておくこと
・できる限りレントゲン写真やMRI画像などの他覚的所見を残しておくこと
・転院を避けること(各医師の診断の矛盾を防ぐため)
といった手順が重要になります。

以上が後遺障害におけるむちうちの解説になりますが、いかがでしたか。交通事故でむちうちになる方は非常に多く、残念なことに後遺症となってしまった場合は、一生付き合っていかなければなりません。

ただその一方で、むちうちが後遺障害として認定されるのは難しいという現実もあります。
最初の治療の段階で、後遺障害として認定されるために必要な手順を踏んでいるかどうかが、重要になってきます。そのためにはやはり、専門家である弁護士の力が必要になります。

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